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現代写真研究所

2024入江ゼミ写真展
さくひん集

 入江ゼミ写真展「共生」は、写真を通して、戦争の遺産を受け継ぐ活動や、気候変動が生み出す生物多様性の危機、そして未来において誰もが共存できる社会と環境、さらには表現の自由が民主主義の基盤であることに焦点を当ててきました。しかし、残念ながら、私たちが掲げてきたテーマとは対照的な状況が起こっており、その事実に心からの痛みと怒りを覚えざるを得ません。
 撮影活動を通じて、街や都市、家族、自然などをテーマに取り組んでまいりました。今年もまた、発表の機会を得られることに感謝いたしております。

 

現代写真研究所・入江ゼミ写真展「共生」実行委員会

 

写真をクリックして拡大してご覧ください。 

2024入江ゼミ展「共生」 写真面 縦.jpg

個々の作品は撮影者の著作物です。

 

許可のない複製・転用を禁止します。
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『冬の気配』  入江 進

鮮やかな紅葉が終わりを告げる頃、高原に一夜にして冬が忍び寄る。その姿は、化粧と言うよりは鎧をまとったかのように見えた。

撮影地 長野県 カヤノ平

『手びねりワクワク』  榎本 佳恭

高校生時代に陶芸を楽しんだ松下敏士さんは、陶芸家の高木康恵さんとの出会いによって、土の心地よさを再び感じることができた。彼は「土練り・紐作り」を楽しみ、自ら手掛けた「うつわ」が食卓をより一層豊かに彩っている。

撮影地 東京都阿佐ヶ谷

『川口元郷・鋳物工場の今』  江藤 正弘

鋳物工場は川口駅周辺に数百軒あったが、トラック輸送の普及などにより、その数は減少し始めた。現在でも芝川下流域には活発に操業している鋳物工場が残っている。1月中旬の寒い朝、私は富和鋳造という鋳物工場を訪れ、専務の方に撮影の許可をお願いした。私はこの鋳物が川口の歴史を伝える重要な産業であり、これからも大切にされるべきだと感じた。

撮影地 川口市元郷1丁目 富和鋳造にて

『ボクの熱海』  稲月 絹子

夫は熱海市に生まれ、子供時代を過ごした。街を夫と共に歩きながら、かつての暮らしぶりを聞いた。50年ぶりに訪れた街は隆盛と衰退を繰り返して来たが、急峻な坂道や路地裏の佇まいは変わらない。芸者さんの奏でる三味線の賑やかな音、夜中まで響く温泉下駄の甲高い音はもう聞こえない。

撮影地 熱海市

『昭和のたまり場』  中西 勝彦

寺町谷中は、明治初期から大正、昭和の文化遺産が数多く残された静かな街。現在は観光地として活気づいている。日暮里駅から「夕焼けだんだん」に向かうと、昭和を彷彿とさせる懐かしい広場がある。そこでは、昭和の遊び「ベーゴマ」が中心となり、土日の午後になると、どこからともなく人々が集まってくる。コマを回す人、教わる人、酒を持ち寄る人、皆が楽しんでいる。

『僕の登り納め』  須永 純子

2007年、孫2人と共に登った蔵王山は、百名山の百座目だった。それから孫たちとの夏休み登山が始まり、2015年、来年は受験のため夏休み登山は最後にしようと「烏帽子岳・水晶岳・鷲羽岳」の登山計画書が届いた。4泊5日の最終日、じじの体調不良への対応で、見事な万全策をとってくれて、予定通り帰宅が叶い感謝。​​

『伊豆の貌(かお)』  名倉 忠義

東伊豆の城ケ崎海岸は、約4000年前の大室山の噴火で流出した溶岩が、その後の海蝕によって複雑な地形を形成した。この海岸は「伊豆半島ジオパーク」に認定され、地質学者の研究対象だけでなく、全長6㎞のハイキングコースとしても多くの人に親しまれてる。ここでは、溶岩が生み出す柱状節理、板状節理、縄状節理などを観察することができる。

撮影地 東伊豆 城ケ崎海岸

『12年目の福島』  清水 和雄

東日本大震災の津波による被害を受け、高さ15mで総延長400kmに及ぶ防潮堤の建設に、1兆円以上をつぎ込み造り続けている。一方で、原発事故による放射能汚染地域は、12年(撮影時)が経過しても地震発生時のまま放置されてきた。今年起きた能登半島地震でも、もしも原発事故が起きていたらと考えるとぞっとする。

『笑顔に救われて』  吉川 隆

輪島の朝市通りにある老舗の店の息子と結婚した娘に、孫が生まれた。正月休みに、相手の両親に会わせようと帰郷を計画していた。しかし、「能登の冬は子供には厳しいから、春になってから来たら」と言われ、輪島行きは取りやめることにした。元旦に大地震が襲い、輪島の店も実家も倒壊し全焼した。しかし、皆が無事であったことは幸運でした。

『滝山農業塾』  川地 素睿

滝山農業塾は、東久留米市の自然豊かな環境で、池袋から電車で30分の距離に位置し、二つの農場を耕作している。塾生は18人で、高齢の方も多い。そのため、畑仕事は午前中に終了し、その後はお茶を飲み、お菓子を食べて、少しだけ世間話を楽しむ。収穫をもって帰途につくが、作業に参加できなかった人にも宅配する。"ゆる~く、楽しく"がモットーで、今年で20周年を迎えた。

撮影地 東久留米市

『東京は階段坂の多い街だなあ』  深澤 大三

何かテーマを探して撮影しようと思っていた時、階段のある風景がテレビに映り、都内の階段坂をネットで探したら、数の多いのにびっくり! 早速階段坂が表示された地図を頼りに撮影を始めた。

『より道』  田中 なみこ

生活の中で通い慣れた道でも、たまたま寄り道をして不思議な世界に入り込む時がある。
日々、忙しく追われる中で、一瞬でもホッとする瞬間が心地よい。

撮影地 東京都

『多摩の街並み』  岸本 剛紀

多摩市に住み始めて半世紀。この街は多摩ニュータウンの開発とほぼ同時期に発展してきた。私が住む場所は、憧れていた団地からは離れた多摩丘陵に位置しているが、住みやすい環境だ。晴れた日には、スカイツリーや東京都庁のビルもみえる。東京下町育ちの自分から見ると、ここは人情に欠けるように感じられることもあるが、逆に騒音のない静かな場所。残りの人生をこの地で過ごすことができれば、感謝の一言。しかし、世の中そんな甘くはない(笑)。

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